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正式な帳簿が作れなくても(会計ソフトが使えなくても)青色申告はできますか?

2020/02/13

アシスタントのくるみ「先生、ちょっといいですか?」

 

税理士の福島「はい、なんでしょう?」

 

くるみ「青色申告と言うか帳簿についてこんな質問が来ています」

 


 

開業に関する講座で「確定申告は青色申告の方がお得だから、帳簿をつけなさい」と教わりました。

 

ソフトを使って、という話もあったのですが、自分にはハードルが高いので、ノートに記録を付けています。

 

それでも青色申告はできますか?


 

福島「できます!以上!」

 

くるみ「先生、雑すぎ!!」

 

福島「失礼しました。マジメにやります」

 

くるみ「もう!!」

 

福島「青色申告には2つのランクがあります。」

A)ノートなどに、現金や預金の動きだけ書いている(いわゆるお小遣い帳形式)

B)会計ソフトを使って「総勘定元帳」「貸借対照表」が作れている



くるみ「今回の質問の場合はAになるんですか?」

福島「おそらくそうなるでしょう」

くるみ「AとBでは、申告するときに何か違いがでるんですか?」

福島「一言で言えば、AとBでは税金が変わります。」


くるみ「え?税金ですか!? どのくらい?」

福島「Aの場合は、特別経費を10万円入れることができます。Bの場合は、特別経費を55万円(電子申告の場合65万円)入れることができます。」

くるみ「それは経費ってことだから、税金の金額とは違うんですか?」

福島「そうです。経費の差が45万円の場合、税額にすると、国と地方あわせて最低7万円弱の違いです」


くるみ「なるほど。税金が7万円近くも変わるんですね。でも、なんでそんなに変わるんですか?」

福島「Bのほうが面倒だからです。Aの方は、単純に動きを書いて、売上とかを記録しているだけですよね?」

くるみ「そうですね。売上とか現金とか、それぞれ毎日エクセルとかで集計すればいいってことですよね」

 

福島「はい。後で決算書を書くときのことを考えると、いわゆるお小遣い帳っぽい形式よりも、売上とか経費の種類ごとにまとめる帳簿のほうがラクですね」

 

くるみ「帳簿で例えば交通費とかの合計を計算して、それをそのまま決算書に移す、って感じですか?」


福島「その通りです。ところが、Bの方は、すべての情報を『正式な簿記の方法のよる(正規の簿記の原則に従った)』帳簿にして、貸借対照表を作る必要があります。」

くるみ「貸借対照表(たいしゃく たいしょう ひょう)ですか?」

福島「これは年末に手元にあるものをまとめた表と言えばイメージできますか?」

くるみ「現金とか預金とか、まだもらってない売上金、まだ支払っていない費用などですね。」

福島「そうです。会計ソフトを使いこなせれば問題なく作れますが、それなりの勉強は必要です。」

 

くるみ「個人事業主が簿記の勉強をするのは大変そうですね」



福島「Bの方は厳密な帳簿なので、単純な間違いも少なくなりますし、利益を正確に計算できます。」

 

くるみ「そっか。だから税金を受け取る側(税務署)としては厳密な帳簿を作って欲しいのですね。」

 

福島「そうです。そのかわり、厳密な帳簿を作った人には税金を安くするという特典を用意しているのです。」

 

くるみ「逆に言えば、会計ソフトや厳密な帳簿はハードルが高いと思った人は、簡単な帳簿で青色申告のAの方法(10万円控除)を狙えばよいのですね」

 

福島「そういうことです。ちなみに、AとかBはこの記事で便宜的に付けた名前なので、一般的にはこう言います」

 

A:青色申告の10万円控除

B:青色申告の55万円(65万円)控除

 

くるみ「ちなみに、青色申告の10万円控除と白色申告では、作るべき帳簿の違いはあるのですか?」

 

福島「同じです」

 

くるみ「ええええ!?じゃあ、白色申告って損じゃないですか!」

 

福島「そうですよ。同じ手間で経費10万円上乗せできるか変わりますから」

 

 

 

  • 参考:青色申告の申請期限について